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春の野原を食で楽しんでみた

和ハーブ暮らし30

新緑

大好きな楓の新緑が美しいころ。
東北の野草たちはいっせいに伸び始めます。

野草摘みたい気持ちがつのります。

今年は、フキノトウを天ぷらで食したのは一度だけ。
所要に追われてバタバタしてたのと、例年以上に暖かくて、気が付くと大きく育ってしまっていた。

それでも、フキノトウのあの苦みを味わいたくて、花が咲いたフキノトウを採取。
重曹を入れて湯がいてから、フキノトウみそに仕上げました。
苦みが強いことを予想して
ひき肉を入れてみたのですが、それが功を奏してか、
苦みがほとんど感じない仕上がりでした。
それはそれで、ちょっと期待とは違ったけど。
程よい加減は難しいね。
それでも、
母は喜んでくれました。

フキノトウ
食感を残すためにひき肉はしっかり焦げ目がつくまで炒めました。
フキノトウみそ

フキノトウの脇にはもう、ふきの葉が出てきてました。
ふきのはとみそ

和ハーブを楽しむ中で、大切にしたいと思うことは、
「身土不二」の考え。

この地で生まれ、育ち、今生活しているからには、
この地を大切にし、
この地で採れるものを、感謝と共にいただきたい。

そんな思いを持ちながら、日々を暮らす人になりたい。

そう・・・「なりたい」です・・

以前の私は、決して生まれたこの地が大好きとは、言い切れませんでしたから・・・。

それでも、息子がこの地で生きていくことを決心して、
家族を持ったことで、思いが変わりました。

彼らのためにもこの地を大切にしていきたい、
ここでの生活をしっかり、見直して、
ここので暮らしが、末永く続けられるものにしていきたいと思うようになりました。

そして、遠く離れて暮らす、娘や末息子にとっても、
いつでも帰れる穏やかなふるさとになったらいいなと思います。

ベニバナ茶のクッキーを作りました。

ベニバナクッキー

最近購入した雑誌にタンポポのお菓子の特集がありまっした。
その中のたんぽぽクッキーの作り方をまねして、
今回は、ベニバナ茶でクッキー作ってみました。

ベニバナは、この地に産ではありまっせんが、
古来より日本人が大切にしてきた、有用植物ですね。
今度種まきしてみようかな。

ベニバナ茶

そして、やっとタンポポが咲き始めた4月の初旬。
近くの野山で、タンポポの花を摘んで、
タンポポ蜜作りました。

タンポポ蜜

たんぽぽの花を煮だした液に、お砂糖を入れて見つめて作ります。
もっと黄色っぽくできるそうですが、
私は赤いお砂糖を入れたので黒っぽくなりまっした。

仕上がりは、
たんぽぽの香りでしょうか、
どこかで嗅いだことがある匂いです。

そう、はちみつの匂いです。

たんぽぽみつ

そして、タンポポ蜜作るときの発見は、
たんぽぽにも花粉があるということ!

当たり前だけど目にしたのは初めてでした。
摘んできたタンポポを水で洗ったら、水が黄色くなったのです!

五感で楽しむ和ハーブ暮らし
いつもの植物たちも、
違う視点で見ると、
また、新たな出会いがあるものですね。
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冬のお役立ち和ハーブ  ヘクソカズラ

ヘクソカズラと豆でお茶

ヘクソカズラ文字



祖母は、しもやけに効くといって、
冬の日の湯上がりに、
ヘクソカズラのチンキをよくほっぺに塗っていた。

もう半世紀も前の私が子供の頃・・。
血行の悪い祖母は、
ちょっと寒いとほっぺが真っ赤になっていた。

ヘクソカズラという変な名前だったので、憶えている。

興味を持ってその植物を見たのは、大人になってから。

花屋で仕事していたころ、
田舎に住む母が、リースの材料にと
ヘクソカズラの実をどっさり届けてくれたことがある。
その美しさは記憶に残り、それ以降、
冬の野山で、その実を捜すのが毎年の私の恒例となった。

そしてある時、かご編みに興味をもったことがあって、ネットで調べてみると、
ヘクソカズラの蔓が細くしなやかで使いやすいと知った。

それからしばらく後のこと、
その花は、夏に咲いてとてもかわいらしいことを知った。
別名のヤイトバナは、
その花が、やいと(お灸)のあとのように中心が赤いことからついたと言われる。

ヘクソカズラ蔓
アジサイの間から蔓を出しているヘクソカズラ。花の写真がないので、ぜひウェブで検索を。


ヘクソカズラ   屁糞葛
アカネ科 つる性の多年草
平安時代頃からすでにこう呼ばれている。
その臭いからついた名前.
別名 ヤイトバナ、サオトメバナ
全草を開花期に採取し干しにしたものを
「鶏屎籐」(けいしとう)という名の生薬名で呼ぶ。
ヘクソカズラの臭いの成分はメルカプタンという揮発性物質で、
これは、スカンクのおならの成分と同じものだそう。
害虫から身を守るためのにおい。


へくそ蔓のみ

その臭いのために、悲しい名前をもらったヘクソカズラですが、
こんな臭い植物を好む虫もいる。

かごを編むための蔓を採集していると、
その蔓のところどころにコブがあるのがみつかる。
中には小さな白い幼虫が。
この虫の名前はフタスジスカシバという蛾の仲間の幼虫だそう。
その虫こぶの名は、ヘクソカズラツルフクレフシという名前も付けられている。


「ヘクソカズラも花盛り」という言葉がある。
番茶も出花と同じような意味だとか・・・

そんな、ヘクソカズラ、その臭いを我慢すれば、
私は、どの季節の姿にも風情を感じる。
今では、その臭いさえいとおしく思えるようになっている。

そもそも、蔓性の植物は、庭先をいつもすっきりさせておきたい人たちには嫌われる。
あまりに旺盛に伸びてしまうと後始末が大変。
わたしは、ときおり切り落として、そこそこに育てて、
庭先で他の花と一緒にあわせて季節感を楽しんでいる。

庭先に蔓を伸ばして実をつけたヘクソカズラ
自由な感じがいい。

このヘクソカズラの生の葉を揉んでつけると、蜂刺されなどの痛みが止まる。
臭いが不快なヘクソカズラには、
炎症を抑えたり、微生物の繁殖を抑える成分をもっている。

寒くなるまで庭に残した実はそのままにして、
自然に枯れるのを待って
採取してチンキにして肌の手入れ用に。

皮膚に外用する以外に、
かっけや利尿効果を期待して、
煎服されることもある。

ヘクソカズラつぶす

今回は、すりつぶしてからエタノールにつけた。
一週間後に、濾してグリセリンに混ぜ込み、
冬のかかとのお手入れ用に。

お手入れ時間が楽しくなるように、
手持ちのラベンダーの精油を3滴ほど加えて香りづけ。
あ風呂上りにゆっくりとかかとケアしながら、ラベンダーの香りで安眠へ。

そして、一番の楽しみは、このヘクソカズラの細いつるでかご作り。

かご編みは素人のわたし、
蔓を採取したら早速編みたい。
そんな適当なやり方で曲げても切れにくい。
しなやかで繊細な蔓で、
小さな手つきのかごに仕上げた。

ヘクソカズラのかご
ちょっとしたテーブルのアクセントができた。
お茶受けの豆菓子をこのかごに盛ってみた。

細いかずらの自由な動きが、
楽しいお茶のひと時の彩りになった。

五感で楽しむ和ハーブ暮らし。

花の優しい匂いはうれしい。

そればかりではなく、
人間が不快と感じる植物の臭いにも、
植物たちにとっては有益な理由がある。

そんなことにも思いを馳せながらの植物との触れ合い。

それは、気ままな時間を豊かにしてくれる気がする。

寒の入りの頃

ビワの花皿
01_biwa2.jpg

冬に花をつける枇杷。
biwanohana.jpg

庭や野には草花が姿を消し、
人日の節句に食する七草の仲間たちのハコベやナズナさえも雪の下に。
旧暦でいえば、寒の入り。
小寒から始まり、大寒を迎えるまさに冬の真っただ中に、
光沢のある緑の葉の間に黄土色のものが見える。
近づくとクリーム色の小さなヒラヒラが見えるので、
それが花だとわかる。

冬に咲くその花は、なんとも甘く優しい香りがします。
梅の花もまだ咲いていないこの時期にうれしいこと。

fuyunobiwanoki.jpg

千葉県や熊本県など暖かい場所がビワの実の有名な産地になっていますが。
ここ福島でも、ビワの木は育ちます。
お隣のおばあちゃんが、子供が小さいころ食べた実の種を植えたら
芽が出て大きくなったというビワの木が、うちの屋敷にまで枝を伸ばしています。

ビワの実は5月ごろが旬。

その実は、美容に良い栄養素を多く含むそうで、
特に体内でビタミンAに変わるベータカロチンを多く含みます。
ビタミンAは、きれいな肌や体内の粘膜を保護するために欠かせないといわれる栄養素です。


ビワ (枇杷) 
バラ科 常緑高木 中国原産 
日本には先史より漂着した種が自生したと考えられる。
葉を薬用に用いるものとしては奈良時代に伝来したといわれる。
 生薬名 枇杷葉(びわよう)
種を植えると簡単に芽が出て生長も早い。
平均気温15℃程度の温暖な地に育つ。
6月ごろ数センチ程の大きさの、黄色い実を枝の先端に数個つける。
実の中には大きな種がある。
人が食する部分は、リンゴやナシと同様、「偽果」と呼ばれる部分。


ビワの葉を薬用するのは仏教と共に伝来したといわれます。
元をたどれば、古代インドの医療術アユールヴェーダにも由来するそうです。
仏教経典の中で、薬王樹と称されるほど、薬効を期待できるものとされています。

biwanohaura.jpg

ビワの効能を気軽に楽しむために、私はビワの葉を採取して乾燥させます。
12月から2月の寒い時期、
葉っぱは濃い緑色でゴワゴワ。
この時期に摘んだビワの葉にこそ、一年中で一番養分が蓄えられてるそうです。

お茶として楽しむには、摘んだ葉を乾燥させ、
その後、半年ほど置くのが良いとされます。
摘んですぐには薬効が強すぎるからです。

枇杷の葉の活用方法を見てみると

Ⅰ.乾燥させてお茶や、入浴剤として
   煎じて(生の葉でもよい)飲んで、暑気あたり、胃潰瘍、慢性胃炎、
   咳止めの効果。砂糖を入れてもよい。
   収れん作用のあるタンニンの働きで、お風呂に入れて皮膚薬としても効果的。

Ⅱ. アルコール漬け、黒焼きを飲む
   焼酎でつけた枇杷酒は、暑気あたり、咳、疲労回復や胃腸虚弱、下痢
   や風邪などにも効果的と言われる。携帯用には葉の黒焼きも。

Ⅲ. 湿布
   アルコール漬けを、脱脂綿などに浸して患部に当て湿布し、カイロなど
   で温める。  


葉に含まれるアミグダリン(ビタミンB17)という成分が、
体内で血液を正常な弱アルカリ性に変え、炎症を治癒に導くそうです。

その昔、江戸では、「枇杷葉湯」ビワヨウトウが夏の暑気払いとして売り歩かれ人気だったといわれます。

枇杷茶作り

私の枇杷茶作りは、
まず葉の裏の毛をブラシなどでそぎ落としてから、
よく水洗いし、乾燥させます。

biwanohahosi.jpg

よく乾燥させたら、保存容器に乾燥剤を入れて保存する。
簡単ですね。
また、乾燥させたものを入って煎ってからお茶にすると
甘みが出て、香りもよくなります。

たくさんビワの葉を乾燥させたら、
ユズの皮などと共に、布で包んでハーブボールを作るのもおすすめです。

ビワのハーブボール


ハーブボールは、温めて使用します。
おへその下周辺にあてることで
「冷え性の改善」
「代謝の向上」
「便秘の解消」
「免疫力アップ」
「生理痛の緩和」
「自律神経を整える」
などの効果が期待できると言われていますよ。

ビワの葉を浴剤として用いるもの効果的です。

葉に含まれるタンニンなどの成分が、
湿疹やあせもに効果があるといわれています。
アユールヴェーダでは、ビワの葉をお灸のようにも使うそうですよ。

冬、手のあれや、手指の関節のこわばりを感じる私は、
足湯ならぬ、手湯を楽しみます。

手湯

ビワの葉を5分ほど煮出したお湯に、
ゲットウ、トウキ、ハマナス、トウガラシ、岩塩をいれました。

ハーブ湯

見た目の美しさと香りに癒され、
温かいお湯を手に感じることでまた癒されます。
ゆっくりと、手湯を楽しんだ後は、
手指の水分が出てしまわない様にしっかりと、
シアバターのハンドクリームを塗り込みマッサージします。

手指のお手入れの時間は、豊かな気持ちになれるひと時です。
そのための材料さえあれば、気軽にできるものです。
コーヒーを淹れるのと似たところがありますね。

大寒の頃、ビワの葉に養分が含まれるのは、
この時期花をつけるからでしょう。

甘い香りがうれしい花をお皿に盛って
ひと時の香りを楽しむもの贅沢ですね。

biwaの香りとみかん

お金を使う贅沢とは違い、
自然の恵みをいただいて、
五感を研ぎ澄ますための贅沢は、
ほんのひと時ですが、幸福感がいっぱいです。

そして、それはアイディア次第で、いろいろ楽しめます。

biwanoswag.jpg

身土不二。
身近なものに目をやり、大切に思う気持ちを自分自身に育みながら、
五感で楽しむ和ハーブ暮らし。

今日も、小さな宝物探しを楽しんでいます。

参考文献
「和ハーブ にほんのたからもの」 古谷暢基/平川美鶴 著
「和ハーブ図鑑」 古谷暢基/平川美鶴 著
「食べて治す・自分で治す大百科」 主婦の友社 長屋 憲 監修





さるなし

サルナシの壁かざり

さるなし文字
サルが食べ始めると実があっという間に全部なくなってしまうほどおいしい ということから
「サルナシ」という名がついたといわれます。
サルもそうであるように、
人も古来から、
本能的に身体や心に必要な植物素材を自然の中で選択していたようです。


和ハーブ検定公式テキストの「和ハーブにほんのたからもの」からの引用です。
以下のように植物素材を分類しています。

1、 エネルギーのもととなる糖質源やでんぷん源
2、 植物性タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを補給するための副菜
3、 ハーブ・スパイスとしての薬味や香辛料
4、 体調を整えるための茶剤や煎剤(薬草)
5、 おやつやお酒などになる嗜好品
6、 保管/殺菌用の包装材や食器、保存剤的な用途

縄文遺跡の保存用と思われる壺の底から、
ヤマブドウ、ニワトコなどの果実と共に
サルナシも発見されています。
そのまま食したか、あるいは発酵させて醸造酒を作った可能性もあると考えられています。
このとても甘くて、酸味のあるサルナシは、
5の「おやつやお酒などになる嗜好品」として
食されていたのだろうと私は思っています。

生食は、完熟したものをたべます。
熟す前には酸味と渋みだけですが、
熟すと柔らかくなり、とても甘くなります。
生産者による栽培種の糖度の測定では、
17度程度はあるそうです。

sarunasiの実

サルナシ(Actinidia arguta)(猿梨)
マタタビ科、マタタビ属 つる性落葉植物
別名 コクワ、コクワヅル、シラクチカズラ、シラクチヅル 地域による。
日本全土、朝鮮半島、中国の中山間地域に原生分布する。
4月頃から新芽が展開し始め、葉が茂った6月上旬ころに下にさがるように白い花を咲かせる。9月上旬ころ小さな実が鈴なりになっているのが見える。10月上旬ころ熟し始め生食ができる。11月葉は、黄色く紅葉し落葉する。栽培する場合には、12~1月頃に伸びた蔓枝を枝元3芽ほど残して剪定する。
キーウィの原種と言われることもあるが間違いで、キーウィは中国原産のマタタビ科の植物から品種改良された。


貝原益軒著書の「大和本草」(1708年)には、
「味甘シ食スヘシ小児好ンテ食フ」という記述があり、
サルナシは約 300 年前より以前から食されていることがわかります。


私が住む玉川村はサルナシを特産品としています。
甘くておいしいだけではないのが、
山の恵の果実のうれしいところです。

特に機能性成分として多彩な機能に注目を浴びている
ポリフェノールを多く含みます。
ポリフェノールとはあらゆる植物に含まれていて、
植物などが生長過程で遭遇する外的ストレスから
生物自身を守るために存在する重要な色素だそうです。
なん千種というポリフェノールが存在すると言われます。
抗酸化、抗菌剤、抗アレルギー、抗ウイルス、抗腫瘍作用、
脂質上昇抑制、血糖値上昇抑制、血圧降下、抗動脈硬化など
さまざまな機能性が見出されているというポリフェノールです。
最近では、赤ワインに含まれるレスベラトロールが
長寿遺伝子に働きかける作用があるという研究報告もあるようです。
よく耳にする、アントシアニンやカテキンもポリフェノールの仲間です。

玉川村では特産品開発の一つとして、
サルナシを取り入れました。
栽培を始めたころは、
栽培のノウハウもない中、
生産者さんたちは、苦労し改良を続け現在に至るようです。
現在、村で一番の規模で栽培出荷されている方のお話では、
その出荷量は日本一だろうということです。

なんと、このサルナシについて研究の博士論文をウェブで発見しました。

その報告によると、同じマタタビ科のキーウィフルーツとの比較では、
いくつかのビタミン、ミネラル類はサルナシの方に多く含まれているとのこと。
特に、ビタミン類が豊富に含まれ、
ビタミン C に関しては、キウイフルーツの約 2.5 倍含まれている。
五訂食品成分表に記載されいる果実と比べると、
ビタミン C 豊富な果実として知られるアセロラが果実 100g あたり 1700 mg、
グァバが 220 mg で、
その次がサルナシの 180 mg だそうです。
レモンのビタミン C は 100 mg となっているので、
レモンの2倍弱は含まれるといえますよね。
ビタミン E においては、キウイフルーツの約3.5 倍量含まれ、
果実の中で最も多い量となっているそうです。

というサルナシを、食べない理由はないですよね。
但し、生のサルナシの食べすぎは注意ですよ!
その理由は、もうちょっと調べてみますね!

さて、今回は、甘いさるなしを
スウィーツの甘味材料として使ってみるのも一手と考え、
スウィートポテトパイのフィリングに
生のサルナシを混ぜて焼き上げました。

緑がかった甘酸っぱいフィリングが
いつもとは一味違うスウィートポテトパイになりました。

サルナシパイ

「道の駅たまかわ」に行くと、様々なサルナシの加工品が販売されています。
さるなし酢、さる酒、さるなしスパークリングワイン、
以前はワインも作られたようですが今ではまぼろし?
今回はありませんでした。
さるなしドレッシング、さるなしバター、さるなしジャム、そしてもちろん、さるなしジュース。
最近開発の人気商品はサルナシのコンポートだそうです。

今度、加工品のジュースやサルナシ酢を使って
お料理とお菓子作りにチャレンジしてみようかな。
生活習慣病の予防として考えるのなら、
たまに食べるだけではなく日々の暮らしに取り入れていくと効果的ですよね。
まずは、さるなし酢でつくるドレッシングをおすすめします。

先日、村のサルナシ生産の第一人者、塩田さんを訪ねました。
今回改めて、サルナシづくりのこと伺いました。
実が大きくて、甘いさるなしを出荷するために
様々な努力をされているお話が聞けて感動しました。

今回は、離れた高台にある畑に連れて行ってもらいました。
10月の下旬、
さるなしの出荷はすべて終わった後でした。
枝に少し残った実をいただいてその場で食すると、
その甘さに、ついまた、実に手がのびてしまいました。
食べすぎは、よくないと聞くので我慢しましたが・・。
まさに「さるなし」。いや、ひとなし?
お家のすぐ前にもさるなし畑があって、
以前伺った時には、そこから、剪定したさるなしの蔓をいただきました。

サルナシ蔓

写真はうちの庭のさるなしですが、
秋になると葉っぱは黄色くなり、
落葉した後には、くるくるまいた蔓が見えてきます。
12月~1月に剪定すのが、実をたくさんつけるコツだそうです。

サルナシのツリー

この蔓はとても丈夫で、
徳島県の祖谷の蔓橋(そやのかずらばし)は、有名です。
一説によると、祖谷に逃れた平家の落人たちが、
追手に対していつでも切り離せるようにつくられたのだとか。
とにかく、吊り橋に使われるほど丈夫なのです。

他に、杖、かんじき、もっこ(軽籠)などが昔はつくられていたようです。

私は、花のアレンジやリース作りにサルナシの蔓を使います。
今回は、ツリー型に編んでみました。
自由な動きが楽しい仕上がりになりました。

sarunaitree.jpg

白いリボンなどを合わせて飾るとクリスマスらしくなりますね。
もちろんピカピカ光るペッパーライトも忘れずに。

山からとってきた蔓で遊ぶときには、
ツルの自由な動きに逆らわずに仕上げます。

そうそう、ちなみに祖母は、盆栽好きでさつきの盆栽をたくさん手入れしていました。
さつきに交じって、こくわ(さるなしの別称)の盆栽もありました。
初秋の頃たくさん実をつけていたのを思い出します。
私は、今、こくわの垣根づくりを準備中です。

原始の頃から、人が好んで食べたであろう甘酸っぱい果実。

お砂糖に慣れた舌にも「あまーい!」と感じるほどの自然の甘さ。
酸っぱさと甘さが人を幸せにさせてくれるさるなしは、マタタビ科。
そして、猫が幸せを感じるというマタタビももちろん、マタタビ科。
さるなしは味覚で人を幸せにしますが、マタタビは、猫のヤコブソン器官(上あごにあるフェロモンを感知する機関)を、マタタビの成分マタタビラクトンなどが通過するときに刺激を受けるそうです。まだその明確な理由は解明されていないそうですが、人間にも、そのマタタビラクトンが作用して、血行促進や疲労回復に効果があるそうです。マタタビラクトンは、植物が成長していくために外界から身を守るための物質と考えられるそうです。
このように、植物が持つ栄養素の中の五大栄養素以外の植物が作り出す有機化合物は、フィトケミカル(またはファイトケミカル)と呼ばれます。ポリフェノールやマタタビラクトンもフィトケミカルの一つです。それらは、もともとは植物自身のためのものですが、人間や動物は、その機能性を本能的に選択し、取り入れてきました。
① 抗酸化 ②生物活性 ③ 香りの効果 ④ その他(抗菌・収斂・細胞毒性など)
などの機能性を持ったフィトケミカルを自然の恵みとして、日々の暮らしに取り入れ、自分が自然の一部であることを実感し、ここに生きられることに感謝する日々を送ることができたらと思っています。
フィトケミカルの名前はとても覚えられるものではありませんが、植物にまつわる、いろんな繋がりを紐解いていくと、どんどん知らなかったことが掘り起こされます。
五感で感じる和ハーブ
科学的な事実と人の本能的な行動
かけ離れたもののようですが、人は、この本能的な行動や、自然の現象に抱いたなぜの答えを求めて、科学を発展させたのだと思います。
それは、人が、五感をフルに働かせてこそ得られる結果なのだろうと思います。



和ハーブに触れながらいつも思い浮かぶのは、祖母の姿です。
和ハーブなどといういい方はもちろんしませんでしたが、
身近な植物の中のいくつかを特別なものとして、
暮らしに取り入れていたように思います。
98歳で亡くなった祖母は明治最後の年の生まれでした。
祖母もこの土地で生まれた人でした。
戦時中には祖父の仕事の都合か、大阪に疎開していたと聞きました。

自分が年を重ねると、時の流れが不思議で、
過去のことにとても興味をおぼえます。
時の流れと共に変わっていく文化や文明に興味がわきます。
現在は、同じ時代であれば、日本国中どこに住んでいても、
同じ情報を得て、同じ文明の暮らしをすることができます。
しかし、私の記憶が始まった頃は、
住む場所によって暮らしは全く違うものでした。
高校や大学で知り合った同じ年の友人に話を聞くと、
風呂水を井戸から汲んだり、
まきを斧で割ってお風呂を沸かしたなんていう経験のない人はたくさんいます。
これは、私の小学時代のお手伝いでした。
私が中学に入るころから、
石工という父の仕事が安定してきたこともあり、
ずいぶんと暮らし方が変わってきました。
父もマイカーというものを持つようになり、
新しいお風呂には水道が引かれ、
私は風呂焚きのお手伝いから解放されました。
そんな暮らしの中で、
祖母はいろんな植物の話を誰にとなくしていたような気がします。
自分の知恵を誰かに伝えたくて口にしていたのでしょうか。
孫に教え伝えようとした風でもありませんでしたが。

祖母は、日々口にする食物とは別に、
体の調子によって必要なものを必要な時に摂るための植物を、知っていました。
一つは、その季節にしか口にできないもの。
例えばミツバやセリ、ナズナなど。
そして、二つ目は特に冬の間、生の野菜などで
接種できない時期の栄養を補うための保存食にするもの。
シソの実やゼンマイなど。
三つめは、体調がすぐれないときに、薬として摂取するもの。
ナツメの果実酒やドクダミ、ゲンノショウコなど。
三つ目の薬としての接種方法には、
慢性的な病気の予防のために日常的に飲み続けるものと、
不調の時に飲むものの2種がありました。

一般的にハーブと聞くと、多くの方は香りを楽しむものと思われるようです。
ハーブのことを書くには私の知識は未熟ですので、
(一社)和ハーブ協会に和ハーブのくくりについて書かせていただきます。
和ハーブとは、「古来(江戸時代以前)より日本人の生活に有用されていた植物」のこと。
私たち日本人が、昔から本能で選んできた植物にまつわる知恵を、
ここで絶やすことなく伝えていくことができますように・・・

草木あそび 10月

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お盆前になると、家の裏の土手を見て、
「カヤが育ちすぎているから、草刈りしなければ」と年老いた母は心配する。

カヤとは、ススキのこと。
敷地にススキが伸び放題になっていることは、
手入れが行き届いていないということ、近隣に見られて恥ずかしい・・・と思うらしい。

山のすすき

ススキを、雑草として見ているということですよね。

雑草って何と思うことがありませんか。
植物は皆ちゃんと名前をもらっているのに、
雑草と一括りではなんだかねぇ。

ヒメジオン、タンポポ、ドクダミ、ミズヒキ・・みんなかわいい花を咲かせるよ。
でも、私の庭では、時々雑草。

名もない植物が雑草というわけでもなさそう。

名もないというより、名前が知られていない植物かな?
人目に目立たない植物ということかな?

いやいや、2mにも成長するススキは、目立つし、
その名前はだれもが知っている。
でも雑草と思われている。

私はこう考えます。
雑草とは、育ってほしくない場所に、ほしくない時期に、
目だって生えてくる植物のことと考えます。

つまり、見る側の気持ちで雑草になったり、ならなかったりするのだと。

さて、奈良県に曽爾(そに)高原というところがあると聞きます。
奈良県から三重県にまたがる倶留尊(くろそ)山のふもと、
奈良県宇陀郡曽爾村にある、標高730mの高原だそうです。

私は、まだ行ったことがありません。
新聞の記事で見ました。
およそ40ヘクタールの高原が一面ススキで覆われるのだそうです。
初秋から11月中旬まで金色に輝くススキの穂の草原を楽しめるとか。
そしてススキが枯れはてた3月初旬には、山焼きが行われるそうです。
この広さですから、その炎と煙は、すごい迫力だそうです。
山焼きは、他の草木の生育を抑え、ススキだけを生育させるためだそうです。
現在は、住民で作られる高原を守る会の皆さんによって、
山焼きが行われているのだそうです。
古くからの仕事のやり方と、その風景を残そうとしているそうです。

昔、ススキが大切に育てられていたのは、それが家づくりの大切な材料だったからです。
いわゆる、茅葺屋根の材料がススキです。

屋根をふく材料とされる草が、カヤと呼ばれてきたそうです。
ススキだけではなく、
他にイネ科の植物のチガヤ、ヨシ、
カヤツリグサ科のスゲなども、カヤと呼ばれます。
イネやムギの藁は水分を吸いやすく、屋根をふく材料には不向きですが、
カヤは油分を含むので水をはじくことで屋根をふくのに適しているそうです。

このようにススキはカヤとして昔はなくてはならない植物でした。
ススキはその他、家畜の飼料、田畑の肥料、または燃料としても用いられたのです。
まさに、日本の代表的な有用植物だったのです。

もうずいぶんと昔に、茅葺屋根はトタン屋根にとってかわられ、
燃料は石油に、飼肥料は化成肥料に変わり、
ススキは、もはや雑草扱いされるようなってしまったわけです。

さてさてそんなススキですが、人は、その姿に今もちゃんと愛着があるようです。

ススキの穂

秋のお月見の夜に飾るススキは、現代もなくてはならない風物詩。

平安時代の貴族は月を愛でながら酒を飲んだり、
船の上で詩歌や音楽を楽しんだようですが、
江戸時代に入ると、庶民に月見の風習が広まったそうです。
庶民のお月見は、貴族のものと異なり、収穫を祝う意味合いが強くなりました。
秋の収穫を喜び、感謝するためにお供え物をしたようです。
ススキは、収穫されたお米の代わりに飾られるようになったと言われます。

満月にかかるススキの姿は、十五夜お月さんを描く絵の定番ですね。

ちなみに、秋のお月見の風習は、十五夜の一回だけではありません。
中秋の名月と言われる、十五夜は、中国から伝わったもので、
秋のちょうど真ん中の日のこと。
旧暦では8月15日です。
旧暦と新暦のずれがあり十五夜は、新暦では9月中旬から10月上旬の間にくるようになります。
そして、月の満ち欠けも約15日と一定ではないので、
十五夜と満月には1~2日のずれが生じることもあるのだとか。
そして、秋の夜長に楽しむお月見は、もう一つ、十三夜、というものがあります。
あえて満月を見ないところが日本人らしい十三夜は日本由来だそうです。
※2020年の十三夜は、10月29日。

ススキ

イネ科 (薄) オバナ(尾花)、カヤ(茅)とも呼ばれる。
全国的に分布し、道端から山野まで生える。
草丈が100~200cmになる。
8月ごろから茎の先に十数本に分かれた花穂をつけ、小花に芒(のぎ)を持つ。
芒とは、この穂の先端にある棘状の突起のこと。似た物にオギ(荻)があるが、オギには、芒がない。


秋の七草というものがあります。
万葉の時代、山上憶良が歌に詠んだものです。

萩が花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花
                                 万葉集、山上憶良

ハギ、オバナ(ススキ)、クズ、ナデシコ、
オミナエシ、フジバカマ、アサガオ(キキョウとされる説とムクゲか、アサガオ、またはヒルガオとされる説もある。)

春の七草は食用として親しまれていますが、秋の七草はどうでしょう。

ススキやハギ、クズなどのように、里山の手入れがあまりされなくなった今でも、
その繁殖力でどこにでも見られるものもあれば、
カワラナデシコやキキョウ、フジバカマのように、
その絶滅が危惧される種もあります。

私が幼いころは、秋の彼岸には、
父がどこからかナデシコやオミナエシ、ツリガネニンジンの花などを採ってきて仏壇に供えたものです。
以前は、野山の土手で見かけたカワラナデシコは、
最近ではほとんど見ることがありあません。
それでも、何とか園芸屋さんで手に入れた、
園芸種のナデシコやキキョウ、フジバカマを庭に植えて秋の七草を楽しんでいます。

これらの秋の七草は、ほとんどが薬草なのです。
ハギ、ススキは、民間薬として
他の5種はちゃんと生薬名を持つ薬草として使われます。

ススキは、その昔、炭俵作りにも使われていたそうです。

私は、簾づくりの方法をまねて、小さな炭俵を作ってみました。

炭俵みに

短くカットした炭を丸って簡単に出来上がり。ちょっとした飾りになりますよ。
飾り棚にぜひ。炭による湿気取りの効果が期待できます。

秋が深まり、ススキの穂のふさふさの綿毛が
木枯らしで吹き飛ばされてしまった後の
すがれたすすきの穂を集めて、昔の人はほうきを作ったそうです。

私は、蜘蛛の巣取り用のほうきを作りました。

柄は、木肌が美しいブルーベリーの枝で。ちょっと長めにしました。

カヤ違いですが、同じ名前の夏の蚊帳(かや)の素材の布を合わせてみました。
この蚊帳も今ではほとんど使われていませんね。

susukiのほうき

このほうき、なかなか使えますよ。

五感で感じる和ハーブ

薬草だけが和ハーブではありません。

生活にはなくてはならない材料として、まさに有用植物だったススキ。

秋の夜空を眺めながら、
お月様への思いとともに、
ススキが必要とされていた時代の景色にも
思いを馳せてみたいものです。
プロフィール

 つむらやしのぶ

Author: つむらやしのぶ
福島の小さな村に暮らしています
庭づくりをしながら花仕事
和ハーブのある暮らし楽しんでます
和ハーブインストラクター
Facebook つむらやしのぶ
instagram shinobu-t-2v と
2vbrooms

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