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草木あそび 6月

かきどおしの小さなリース

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 穀雨を迎えたころから、この里山で日曜日の朝に聞こえてくるのは草刈り機の音。
私にとってカキドオシのにおいは草刈のにおい。
その匂いは、小さいころ祖母の草刈についていったことを思い出させてくれます。
白い大きな兔を飼っていました。兔に食べさせる草を刈りにいく祖母についていったように覚えています。
緑がキラキラしていた季節・・・・・。

 もう少し大きくなってからの記憶では、祖母が口にした植物の名前や薬効の話、そして何やら植物を集めたり、干したりしている姿が浮かんできます。
当時は、多くの人たちが身近な薬用植物をあれこれ集めて、アルコール漬けしたり、乾燥させたりして日々の暮らしに生かしていたようです。

カキドオシのこと

カキドオシ (垣通)   別名 カントリソウ    生薬名 連銭草
学名   Glechoma hederacea subsp.grandis   洋名 グレコマ
シソ科カキドオシ属  全国的に分布
垣根を通して隣まで入り込むことから垣通と名付けられた。
春先に紫の花をつける。半円形のギザギザの縁取りのある葉が茎に対生する。
花が終わると茎が伸びて蔓状になり地を這って伸びる。生薬名は、その葉と茎の姿に由来。
ミントとバジルの中間のような香り。子供の疳の虫に効くことからカントリソウとも呼ばれる。

古来より民間薬として使用されてきた日本六大和薬の一つに数えられる。
血糖値上昇抑制、利尿、消炎作用、子供の疳の虫に効くとされる。

特に血糖値降下作用が認められ、古くから糖尿病対策やダイエット和ハーブとして有用されている。
その効用は1968年の日本薬学会の動物実験によって確認されている。
また、2007年の日本食品科学工学会の実験でも同様な結果が報告されていて、
これはサポニン成分のウルソール酸などが、糖分の胃腸内の滞留時間に影響を及ぼしていると考えられている。
(和ハーブ図鑑 一般社団法人和ハーブ協会編参考)


半日陰で育つ開花前の葉が、香り豊かであくも少なくお料理に用いるのに向いています。
通常、花の終わりころ先端にまだ花がついている頃が採取時期と言われます。
お茶として使用するなら、よく洗い細かくカットしてからざるなどに紙を敷いて広げて干します。
一週間を待たずにカラッと乾きますので、瓶や袋に入れて保存します。
食用、飲用にする場合には、採取場所に気を配り、必ず採取後の選別をしっかりすることはどの和ハーブも同じです。

かきどおし干し

薬効を期待するのであれば、毎朝、400㏄程度の水に乾燥させたかきどおしを15g程度入れ、半量まで煎じて、一日3回に分けて飲むとよいとされます。苦みがあるので子供には、甘茶とブレンドしてお茶のようにして入れると飲みやすいです。
フレッシュ和ハーブティーとして香りを楽しむこともできます。
半日陰で摘んだ柔らかい葉を適量(少しでも香りがします)入れて熱湯を注ぎ、好みの時間で抽出します。

kakidoosi.jpg

和ハーブティーを楽しむためのガラスのポットとカップを用意するとその美しい緑色も楽しめますね。

 カントリソウの別名を持つかきどおしは、子供の枕にいれたそうです。

私もかきどおしのサシェを作ってみました。箪笥の奥から出てきた子供の頃寝間着として母が作ってくれたネル地の着物。
思い切って袖の部分の生地を使って、かわいいハート型にして孫のために。
中に綿を緩く詰めて、そこへ干したカキドオシを詰めました。
ミシンでダダダダーッとハート形を3周ほどステッチ。
あまり手をかけすぎないのは使い捨てしてもらえるように。
香りがなくなったらおしまい。虫がわいても困りますしね。

再生させて生かすものと、処理するものはきっぱりしないとね!

これを枕もとに置いて、夜ぐっすり眠ってもらえるかしら。

かきどおしのサシェ

 見た目がかわいらしいカキドオシは、洋種の斑入りの種もあり、グレコマの名で園芸用とし流通しています。
もちろん、ヨーロッパでもグレコマはハーブとして扱われるようです。
その繁殖力は強く、茎の節から根を出しどんどん伸びて広がります。
根は浅く細いので園芸用としても管理しやすい植物のように思われます。

グレコマ

蔓状に伸びてきたところをカットし、小さな瓶に節が水につくように挿して飾りましょう。しばらくすると根が出てきます。
そしたら、それを苔玉にしてみるのもいいですね。

かきどおしで草木あそび

 かわいらしい紫の花を集めて、ひと時だけ楽しむのも、繁殖力が強いカキドオシだから躊躇なくできること。
お気に入りのお皿やかごにふんわり盛ってお茶のテーブルに。

かきどおしの花

蔓が伸びてきたら、その蔓で草木あそび
蔓を丸めて何ができるかしら・・・
あれこれ試行錯誤の時に、ふわっと漂うかきどおしの匂い。
香りと手仕事で癒しの時間が過ごせますよ。

くるくる丸めてスマッジ風にまとめてみたり。
リースにしてみたり。
決まった形に仕上がらなくても楽しいものです。

かきどおしのスマッジ

 ぜひこれは、小さな子供たちと楽しんでほしいこと。
匂いの記憶は脳の奥深く残るはずです。
大人になってから、なつかしい匂いに出会った時によみがえる子供の頃の記憶。

和ハーブ かきどおしの、現代の役どころはそんなところにあるのかなと思うのです。

便利な暮らしが主流の現代。
和ハーブの知識を持ち、それを摘んで、処理して生活に取り入れることができる環境にいる方はどれだけいるでしょう。

もちろん、それができる方には、和ハーブのある暮らしをしてほしい。

それができない人たちには、いつもの散歩道や、休日に訪ねた公園の片隅でこのかきどおしをみつけたら、手で触れてほしい。
可能なら手折って匂いを嗅いでほしい。

( ※引き抜いてはダメですよ。野生の植物を採取するときは、根を残すのが基本です。
もちろん、管理者に断る必要があれば一声かけてくださいね。きっとダメとは言われないはず。
かきどおしは雑草として扱われるのが常ですから。)

かきどおしを手に取って、その茎を絡めて引っ張りっこでもいいのです。
遊びながら、教えてあげてください。
「これは、薬草の一つなのだよ。日本人はずっと昔から、身近な植物を使って病気から身を守っていたのだよ。」と。

先人の知恵の一片でも子供たちに伝えてほしいと思うのです。

かきどおしの香りの中で遊んだ記憶はきっとずっと残るはず。

懐かしい匂いかいだときに、、
紐で手繰り寄せるように次々とよみがえる記憶。
それは幼かったころ自分の周りにいた知恵ある大人たちとの思い出。

この思い出はきっと、「人はつながっているのだ。」ということも感じさせてくれると信じています。

かきどおし、連銭草・・・・つながることを名に持つ和ハーブです。

かきどおしのハート型サシェ

題字 石井睦子氏
参考文献
和ハーブにほんのたからもの 古谷暢基 / 平川美鶴 著  
和ハーブ図鑑     古谷暢基 / 平川美鶴 著  一般社団法人和ハーブ協会編
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Author: つむらやしのぶ
福島の小さな村に暮らしています
庭づくりをしながら花仕事
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