FC2ブログ

草木あそび ホオノキ

ホオバ花留め

ほおのき
「朴の木」と書く。
「朴」の意味は自然のまま、うわべを飾らない。すなお。樸と同じ意味。
例えば、素朴(そぼく)・朴訥(ぼくとつ)・純朴(じゅんぼく)に使われる漢字。
どこで覚えたのか忘れたけど見たことがあるこの漢字を、
改めて辞書で調べてみると、
実は知らない漢字だったと気づきました。

ホオバフレーム

ホオノキの名前の由来を見てみると・・
古く万葉のころには、ホオガシワと呼ばれていたそうです。
「本草和名(ほんぞうわみょう・918)」には、
保々加之波乃岐(ほほがしわのき)としての記述があるという。
ホホとは、冬芽の、ほほむ(含む)形から呼ばれたといわれます。
「ほほむ」をしらべてみると、
「中にはらんで待つ」や
「蕾が膨らんできたがまだ開かずにいる」の意味を持つとありました。
たしかに、ホオノキの葉が開く前の芽の形は独特の姿。

hooonoki.jpg

中国に生息するこれに同じモクレン科の樹木で厚朴とよばれるものがあるようです。
この樹皮を採り乾燥させたものが厚朴という生薬。
日本原産のホオノキから作られたものは和厚朴と言われます。

さて、ここで改めて和ハーブと何か触れてみたいと思います。

その前に、ハーブとはどんなものでしょう。

英語のherb の語源は、ラテン語のherba(草=茎が木質化しない植物を意味する)に由来します。
いろんな解釈があるようですが、
広義の解釈として、「有用植物」全般を指すといえます。
草・木も含め、その葉・茎そして花・実・樹皮・根などすべての部位を含めたものと言えます。
また狭義では、「主に、飲食系や医療系に有用される、
香りや薬効が強い草本植物の葉・茎部分」と定義されることもあります。
ハーブと聞いて思い浮かぶのは後者ですよね。
ハーブティーや最近よく聞くフォークレメディ(民間医療)に用いられるイメージがありますね。

それでは「和ハーブ」とは何でしょうか。

上記の狭義のハーブの要素を持った日本の植物と連想される方も多いと思います。
例えばシソやワサビ、セリなど・・。
確かにそれらも一部含まれますが、「和のハーブ」という表現とは別もので、
「和ハーブ」は、
「一般社団法人和ハーブ協会」によって、定義されたオリジナルワードなのです。

その正式定義は、

① 日本原産の野生種および栽培種の有用植物。

② 外来の野生種および栽培種のうち、江戸時代以前より広く使われてきた有用植物。

の二つです。
ここで言われる「有用植物」ですが、
それは、薬効や食用のみに限らないというところを、特にお伝えしたいと思います。

下記は、食と民間薬以外の和ハーブの分類例です。

1.美容・化粧~ ベニバナ・ツバキ・ヘチマなど
2.入浴   ~ショウブ・セキショウ・ヨモギ・ユズなど
3.染料・色素~ アイ・ベニバナ・アカネなど
4.神事・生活行事~ サカキ・シキミ・タチバナなど
5.紙    ~ コウゾ・ミツマタなど
6.布・衣服 ~ アサ・カラムシなど
7.紐縄・敷物・履物 ~アサ・フジ・アケビなど
8.家財道具 ~ タケ・センダン・キリなど
9.器・盆・箸など~サクラ・ケヤキなど
10.建材   ~ヒノキ・スギなど
11.塗料   ~ウルシ・カキなど
12.玩具   ~(ナズナ・オオバコなど)
13.保存(包葉として)~カキ・カシワ・ホオノキなど
14.防虫・殺虫 ~キハダ・センダン-クスノキ
15.園芸  ~ウメ・カエデ・ボタンなど
16.洗剤・石鹸  ~サイカチ・ムクロジなど。

こんなにたくさんの用途で、植物たちがわたしたちの生活に有用されてきたということです。
植物由来のものがどれだけ現在の私たちにとって安全であり、
将来、未来に向けて安心して使っていけるものかは、
広く知られている通りです。
古くから伝わる知恵を知り、
私たちの現在の生活に上手に活かしていくことができたらいいですね。

hoba.jpg

《 ホオノキ ≫ 
 他の呼び名  フーノキ  ホオガシワ  ホー
 生薬名    厚朴
 30mにも育つ高木
長さ20~30cmの卵型のやや厚くてかたい葉が枝先に集まって互生する。
5~6月に枝先に、やや黄味を帯びた白い花を上向きにつける。
その直径は約15cmほどある。
原始的な植物の代表ともいわれるマグノリア科の特徴である
厚みのある5枚の花弁の下に、
同じ色の5枚の苞がつき、
まるで10枚の花びらが重なり合っているように見える。
受粉後中央の花芯が大きく成長する。
種子は鳥により広く散布され、大木であることから群生することはない。
雑木林に大きな葉のホオノキが一本だけ立っているのを見ることができる。

ホオノキの樹皮には精油、マグノール、マグノクラリンなどが含まれていて、
胃腸の粘膜組織を引き締めるので、健胃、消化促進、腹痛、整腸、去痰、利尿薬として広く応用されます。

ほとんどの場合、厚朴は漢方薬として使われます。
漢方薬では、生薬が単体で用いられることはないようで、
何種類かの生薬を混ぜ合わせて用いられるそうです。

古来アイヌの人々は、花芯が果実となったものを乾燥させて茶材として用いたそうです。
ナギナタコウジュや、キハダと並び、日常茶の一つだったそうです。

 その木材もまた様々に利用されてきました。
生長が速く、しかもその材は緻密で軟らかく軽い、
また狂いやひび割れが少ない。
そのため、版木や家具材、製図版、刀鞘、下駄の歯、マッチの軸、鉛筆材から、
ピアノやオルガンの鍵盤までさまざまな用途に用いられてきました。
ホオノキの木炭の朴炭(ほおずみ)は、昔はあかすりに用いたり、鍋の焦げを落とすのに用いたといわれています。

この大きな葉は、古くから葉に食べ物を乗せる、
炊ぐ葉(かしぐは)、カシワとして日常的に用いられたといわれます。

hoobatutumi.jpg

最も特徴的な大きなホオノキの葉、ホオバの日々の生活への取り入れ方を見てみましょう。

炊ぐ葉(炊はかしぐと読むのですね)が転じて平安の時代カシワと呼ばれたホオバは、
ご飯や餅などを青い葉で包み料理するのに用いられたそうです。

現在もまた、岐阜の飛騨の高山の朴葉味噌(ほおばみそ)や朴葉寿司で知られていますね。

朴葉味噌はネギなどの薬味、シイタケなどの山菜・キノコをみそに絡め、
乾燥させた朴葉の上で焼いたものです。
最近ではお料理を研究する方たちによって、色々にアレンジされているようです。
香ばしい匂いを想像すると、ご飯が食べたくなりますね。
これは、ホオバの香りの良さはもちろん、
それが水をはじき燃えにくい性質を利用しています。

また、朴葉寿司は、ホオバの防腐効果が食べ物を傷みにくくすることから、
寿司やご飯、餅などを包むのによく使われてきたようです。

東北地方のマタギ文化では、
狩猟で仕留めた獲物の肉を数枚の朴葉で包み、
山中から持ち帰る習慣があるそうです。

葉に含まれる芳香成分に殺菌・防腐作用があることを、
彼らは、経験から知っていたのですね。
ホオバには食中毒の原因の一つの黄色ブドウ球菌に対して抗菌作用があるそうです。

 食の材料として用いるのであれば、
5~6月の花の咲く時期が適期。
香りもよく、硬すぎずに扱いやすい。
この時期に採取したものを冷蔵しておけばいつでも使うことができます。

hobaokowa.jpg

私は、先日みなさんと、ホオバ包みのおこわ作りにチャレンジしてみました。
おこわの具には。乾燥させたドクダミとお揚げを入れました。
作り方は、中華ちまきの作り方で。
ドクダミの香りと、ホオバの香りがマッチして、大人の風味の一品になりました。
不溶性の食物繊維が豊富なドクダミは、
宿便を取り除いて、新陳代謝を高めてくれます。
いつもの食卓にもドクダミご飯お勧めです。
そしてみなで楽しくひと手間加えられるホオバ包み、みんなが集まる食事にお勧めです。
・・・・集まれないのが残念ですが・・。

甘いもの好きの私は、ホオバ餅も大好きです。

市販の団子粉とあんこで簡単に作れます。
ホオバ皿

そして、作るのは今一つ自信がないという方も、
このホオバを使えば、市販のお菓子も、特別なものに見えてきます。

ホオバののホオは包む意味もあります。

hobabox.jpg

段ボールを四角くカットしたものを何枚か重ねて、
ホオバで包んで乾燥させて、
秋から冬を飾るオブジェとしてもかわいいものです。
赤いリボンを結べば、クリスマスツリーのオーナメントにもなりますね。

ホオバブーケ

そして、特大サイズのホオバは、お花のラッピングにもいい感じです。
色あせたあじさいなら、季節によってはそのまま置いてドライフラワーにして長くしめます。

ずーと昔から私たちの日常生活に有用されてきた
多種多様の植物たち。
その特性を知り、
ちょっとした場面に気軽に取り入れることによって、
自然と共にある豊かな暮らしの一コマを体験できそうですね。

見る、触る、香る・・・

日々慣れてしまったものには感度が鈍ってきます。

身近にある豊かなものたちの存在に気付くと、
自分の中の何かが動くのを感じます。

五感で感じる和ハーブのこと・・・

また一つ、忘れていた価値を見つけだしてみませんか?

スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

 つむらやしのぶ

Author: つむらやしのぶ
福島の小さな村に暮らしています
庭づくりをしながら花仕事
和ハーブのある暮らし楽しんでます
和ハーブインストラクター
Facebook つむらやしのぶ
instagram shinobu-t-2v と
2vbrooms

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
リンク
カテゴリー
QRコード
QR
FC2アフィリエイト
フリーエリア
ブログ内検索
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる